感染症


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における肥満関連分子と重症化・予後に関する検討のお知らせ

① 研究の名称
本研究は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者における肥満関連分子と重症化・予後に関する検討」といいます。京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会での倫理審査を経て、病院長により許可されている研究です。

② 研究の目的(試料・情報の利用目的及び利用方法)
新型コロナウイルス感染症は、肥満・糖尿病患者で重症化しやすいと報告されています。本研究では肥満・糖尿病と免疫に関わりのある分子が新型コロナウイルス感染症においてどのように関与しているかを調査します。重症化する方としない方で肥満・糖尿病に関わる分子の量に差があるか検討します。

③ 利用する試料・情報
本研究は京都大学医学部附属病院に新型コロナウイルス感染症で入院された患者様を対象にしています。京都大学医学部附属病院に新型コロナウイルス感染症で入院した際に他の臨床研究に参加いただき血液を提供いただいた患者様で、残余検体の二次利用に同意いただいた方を研究に登録させていただきます。本研究では血液検体のほか、年齢、性別、基礎疾患、治療経過などの情報を使用します。個人が特定できる情報は研究には使用しませんので、本研究から個人情報が漏出することはありません。

④ 対象となる試料・情報の取得期間
2020年1月1日~倫理委員会承認日

⑤ 研究責任者および試料・情報等の管理責任者
京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 講師 伊藤功朗

⑥ 研究実施期間
京都大学医学部附属病院医の倫理委員会承認後から3年間

⑦ 研究への利用を停止する場合
患者様が研究への参加を希望されない場合、得られた情報の研究への利用をいつでも停止することができます。研究に不参加となった場合も、患者様に不利益が生じることはありません。申し出をされる場合は本人又は代理人の方より、下記の連絡先までお問い合わせください。

⑧ 研究資金・利益相反
この研究にかかる費用は、主に当院呼吸器内科で管理する研究資金を利用します。本研究に関わる企業・団体はありません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査しています。

⑨ その他
本研究に関係する全ての研究者は、「ヘルシンキ宣言」及び「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い研究を実施します。

⑩ 連絡先
研究利用の停止、そのほか質問がありましたら、下記の担当者までご連絡ください。
相談窓口:
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
電話番号 075-751-4748
e-mail ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究内容および参加撤回についての問い合わせ:
京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 伊藤功朗
電話番号 075-751-3830
e-mail konai@kuhp.kyoto-u.ac.jp


コロナウィルス肺炎(CoVP)とインフルエンザウィルス肺炎(InVP)、非ウィルス性市中肺炎(nVCAP)の臨床像に関する多施設共同研究のお知らせ

研究の背景と目的
私たちはコロナウィルス肺炎の病態をインフルエンザウィルス肺炎や非ウィルス性市中肺炎と比較する研究を行っています。市中肺炎とは、医療関連行為を受けていない方に家庭で起こった肺炎です。2019年中国武漢に端を発したコロナウィルスによる肺炎は世界的な拡大をみせつつあります。現在あるコロナウィルス肺炎のデータの多くは中国での記録によるものですが、一般的なウィルス性肺炎の性質を示したものも多く、 コロナウィルス以外のウィルス性肺炎(これまでの日本では多くはインフルエンザウィルス肺炎になります)や非ウィルス性の市中肺炎との比較はなされておらずその臨床的特徴・違いは明らかではありません。そこで、京都大学および関連の病院に入院されたコロナウィルス肺炎もしくはインフルエンザウィルス肺炎や非ウィルス性市中肺炎の患者さんを多人数集積して、コロナウィルス肺炎の診療に役立つ情報や日本のコロナウィルス肺炎の特徴を見出すことを目的としました。

対象となる患者さんと方法
この研究は、倫理委員会での承認から2年間までにNPO法人 西日本呼吸器内科医療推進機構の研究参加病院に入院され、コロナウィルス肺炎として治療を受けられた(または、治療を受けられる)患者さんを対象として登録し、患者さんのカルテを閲覧し、病状や基礎疾患、検査データ、画像所見、原因病原体、治療効果などのデータを解析するものです。解析の期間も含めた研究実施期間は5年間を予定しています。カルテの閲覧は医師が行い、カルテが施設外に持ち出されることはありません。調査には患者さんのお名前は使用せず、番号で管理されますので、個人情報(お名前や住所など個人が特定できる情報)は保護されます。入院時の年齢、性別、体温や採血の結果、また最終的な転帰などをデータとして京都大学呼吸器内科において管理します。

拒否の希望のある患者さんへ
本研究は京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施しているものですが、対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。なお、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。

研究資金と利益相反
研究資金は京都大学呼吸器内科の研究費によって賄われ、企業との利益相反はありません。利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査・管理もされます。
ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

予定共同研究機関(各病院に直接問い合わせることはお控えください)
赤穂市民病院内科、医師 村瀬公彦
大阪府済生会中津病院呼吸器内科、部長 長谷川吉則
岸和田市民病院呼吸器内科、部長 高橋憲一
京都市立病院呼吸器内科、部長 江村正仁
倉敷中央病院呼吸器内科、部長 石田直
神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科、部長 富井啓介
神戸市立医療センター西市民病院呼吸器内科、部長 冨岡洋海
公立豊岡病院組合立豊岡病院呼吸器内科、医長 中治仁志
静岡市立静岡病院呼吸器内科、 部長 山田孝
杉田玄白記念公立小浜病院内科、医師 伊藤功朗
田附興風会医学研究所北野病院呼吸器内科、部長 福井基成
天理よろづ相談所病院呼吸器内科、部長 羽白高
日本赤十字社和歌山医療センター呼吸器内科、部長 杉田孝和
兵庫県立尼崎総合医療センター呼吸器内科、部長 平林正孝
福井赤十字病院呼吸器内科、部長 赤井雅也
洛和会音羽病院呼吸器内科、部長 土谷美知子
高槻赤十字病院呼吸器内科、部長 北英夫
綾部市立病院、医師 濱田哲
神鋼記念病院呼吸器内科、部長 大塚浩二郎
寺田内科・呼吸器科、院長 寺田邦彦
西陣健康会堀川病院内科、部長 安井浩明
国立病院機構京都医療センター呼吸器内科、部長 三尾直士
福井県立病院呼吸器内科、部長 小嶋徹
京都桂病院呼吸器内科、部長 西村尚志
京都大学医学部附属病院呼吸器内科、教授 平井豊博

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
連絡先:075-751-3830、メール:isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp

京都大学医学部付属病院の相談窓口
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
(Tel)075-751-4748
(E-mail)ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

本研究で収集した試料・情報は、同意を受ける時点では特定されない将来の研究のために用いる可能性があります。他の研究への二次利用および他研究機関へ提供する際は、新たな研究計画について倫理審査委員会で承認された後に行います。また、ホームページ上で、研究の目的を含む研究実施の情報を公開し、研究対象者が拒否できる機会を保障します。


研究に関するお知らせ
(研究課題名:COVID-19 に関するレジストリ研究)

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院では、以下にご説明する研究を行います。この研究への参加を希望されない場合には、下記のお問い合わせ先にお申し出ください。お申し出になられても、いかなる不利益も受けることはございませんので、ご安心ください。未成年者の方や現在ご自身で研究参加の判断が難しいと考えられる方においては、家族や親族等からの研究不参加のお申し出やお問い合わせに対してもご対応いたします。

研究目的・方法
2019年12月から中国の武漢市で新型コロナウイルスによる肺炎の集団発生が確認されました。新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)には確立された治療法はありませんが、重症例を中心に抗ウイルス薬などの薬剤が投与されはじめています。どのような方が重症化しやすいか、妊婦や小児の患者さんなどにおいてどのような経過をたどるのかなど、多くのことがまだわかっていません。
この研究では、COVID-19と診断された方に参加していただき、重症化する方の特徴や経過、薬剤投与後の経過など、COVID-19に関する様々な点について明らかにすることを目的としています。

研究期間
理事長承認日~西暦2023年1月31日

研究の対象となる方
2020年1月1日以降にCOVID-19と診断された方

ご協力頂く内容
上記の対象期間中に記録された診療情報(症状、基礎疾患、渡航歴、接触歴、症状の経過等)・ウイルス検査結果などを、研究に使用させて頂きます。使用に際しては、文部科学省・厚生労働省が定めた倫理指針に則って個人情報を厳重に保護し、研究結果の発表に際しても、個人が特定されない形で行います。

研究参加について
研究への参加を希望されない場合、その方の情報を研究における解析に利用することはありません。ただし、COVID-19は新規の指定感染症であることから、社会的・公衆衛生的に重要であるため、原則として全ての患者さんの情報をこの研究のデータベースには登録させていただきます。研究に参加される場合でもされない場合でも、患者さん個人を特定できるような情報が外部に漏れることはありません。

外部への試料・情報の提供
研究データの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。匿名化対応表は、該当する患者さんが診療を受けた病院の研究責任者や個人情報管理者などが保管・管理します。研究のデータは、WHOなどの国際的な研究グループと共有する場合があります。その場合、匿名化対応表は提供せず、個人の特定ができない状態で共有します。

研究組織
研究代表機関: 国立研究開発法人国立国際医療研究センター  大曲 貴夫
共同研究機関: 北海道大学、国立感染症研究所
情報提供機関: COVID-19の方を診療した国内全ての医療機関

利益相反について
利益相反の状況は、研究代表機関においてはNCGM利益相反マネジメント委員会に報告し、その指示を受けて適切に管理します。共同研究機関においてはそれぞれの機関のルールにのっとって適切に報告・管理されます。本研究に関する研究全体及び研究者個人として申告すべき利益相反の状態はありません。

研究計画書等の入手・閲覧方法・手続き等
あなたのご希望により、この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性確保に支障がない範囲で、この研究の計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。閲覧を希望される方は、追って公開するホームページなどの情報をご確認ください。

個人情報の開示に係る手続きについて
本研究で収集させて頂いたご自身の情報を各医療機関の規定に則った形でご覧頂くことも出来ます。ご希望される方は、COVID-19のために受診した医療機関にお申し出ください。

当院の研究責任者・本研究全体の研究代表者:
国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国際感染症センター  大曲 貴夫

お問い合わせ先
東京都新宿区戸山1-21-1
国立研究開発法人国立国際医療研究センター
COVIDレジストリ研究事務局
03-6205-6593(直通)
03-3202-7181(代表) (月~金 8:30~17:15)

京都大学連絡先:京都大学医学研究科 呼吸器内科学
京都市左京区聖護院川原町54 責任者 伊藤功朗
電話 075-751-3830


研究課題名:ファビピラビル等の抗ウイルス薬が投与されたCOVID-19患者の背景因子と治療効果の検討(観察研究)

本研究は藤田医科大学の医学研究倫理審査委員会で審査され、学長の許可を得て実施しています。

研究の対象
2020年に京都大学医学部附属病院において、入院前、または入院後の検査検体からSARS-CoV-2 が検出された方

研究への利用を拒否する場合の連絡先:
京都大学医学部附属病院呼吸器内科
伊藤功朗
住所:京都市左京区聖護院川原町54
TEL:075-751-3830
FAX:075-751-4643

その他のお問合せ先:
京都大学医学部附属病院 相談支援センター
TEL:075-751-4748
E-mail:ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp

研究目的・方法・研究期間
(1)研究目的
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による肺炎(COVID-19)が日本各地で発生していることが報告されています。COVID-19に対する治療薬は確立されておらず、ファビピラビルなど他のウイルスに対して治療効果がある抗ウイルス薬、その他の抗ウイルス効果が示された薬剤が各医療施設の判断で治療に用いられています。
本研究では、日本各地の医療機関でファビピラビルなどの抗ウイルス薬やその他の抗ウイルス効果が示された薬剤が投与されたCOVID-19患者の臨床情報を収集、分析することで各薬剤にCOVID-19に対する治療効果が見られるかどうかを検討することを目的としています。
(2)研究方法
この研究は、既存の臨床情報(診療で得られた情報)を用いる後ろ向き観察(コホート)研究です。本研究にご協力いただける機関からいただいた対象者の方の臨床情報を藤田医科大学で集約し、解析を行います。
個人情報保護の観点から、対象者は研究専用の ID 番号で登録され、誰の情報か分からない状態で研究代表機関に集約されます。藤田医科大学においては、名前、病院での ID 番号など個人が特定可能な情報は記録しません。
(3)研究期間
倫理審査委員会承認日 ~ 2020年12月31日

研究に用いる情報の種類
年齢、性別、入院日、入院前の所在(自宅、療養施設など)、基礎疾患、SARS-CoV-2 検出日、SARS-CoV-2検出日の所在(ICU、病棟など)、COVID-19(肺炎)の重症度、抗ウイルス薬による治療の内容、治療への臨床的反応、退院先(自宅、療養施設など)等

外部への情報の提供
この研究から明らかになったCOVID-19に対する抗ウイルス薬の治療効果などついては、厚生労働省に報告するほか、学会発表および論文発表を通して公開する予定です。また、このような国内のデータはこれまで限られていることから、当院及び他の医療施設が 今後COVID-19患者を治療するにあたり役立つことが期待されます。他の機関が共同研究機関として加わる場合や、本研究に関するデータを他の研究機関と共有する場合は、関係法令・指針に基づき適切な手続きを経た上で行い、その旨を公開します。

研究組織
研究責任者:
藤田医科大学 微生物学講座・感染症科
教授 土井 洋平

既存試料・情報の提供のみを行う機関:京都大学医学部附属病院

お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら以下のいずれかの連絡先までお問い合わせ下さい。また、ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、臨床情報を本研究に用いることについて、研究の対象となる方もしくはその代諾者の方にご了承いただけない場合には、研究対象から除外させていただきます。研究への利用を拒否する場合の連絡先までお申し出ください。その場合であっても、研究の対象となる方その他に不利益が生じることはありません。ただし、研究実施上、既に個人が特定できない状態で臨床情報が解析された後においては、あなたの臨床情報を除外できない場合があります。

連絡先:
研究責任者の連絡先:
藤田医科大学 微生物学講座
研究責任者 土井 洋平
住所:愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98
TEL:0562-93-2433


京都大学医学部附属病院を受診し、肺炎と診断された患者さんへ
「成人市中発症肺炎(COP)における肺炎球菌性肺炎の疫学研究」のご案内

このたび、京都大学医学部附属病院呼吸器内科では、長崎大学熱帯医学研究所と共同で、標記の研究を行います。以下に概要をお示ししますので、お問い合わせ、参加拒否のご意向がありましたら、下記の連絡先までご連絡をお願いします。

研究概要
背景と目的:肺炎球菌は、最も頻度の高い肺炎の原因菌です。 65歳以上の高齢者には、この肺炎球菌に対するワクチンが定期接種となっています。肺炎球菌には90種類以上の型があり、現在の定期接種ワクチンはその中で23種類を予防するものです。また、肺炎球菌に対して本来効くはずの抗菌薬(例えばペニシリンなど)が効かないという薬剤耐性の問題が起こっています。肺炎球菌の型と薬剤耐性の関係や、これらの広がりの様子については、まだよくわかっていません。そこで、この研究では、患者さんの喀痰や血液の検査で出てきた肺炎球菌を用いて、これらの問題について研究することを目的とします。
研究対象者:2019年4月から2021年3月の期間に肺炎球菌による肺炎と診断された18歳以上の患者さん
研究に用いることがら:検査で検出された肺炎球菌(菌株)と、患者さんの臨床データを用いて研究します。患者さんのお名前などの個人情報は研究には用いません。
患者さんにとって、この研究にご協力いただくことで利益も不利益もありません。また、ご参加を拒否されても何ら不利益はありませんし、ご参加いただくことに対する謝礼も発生しません。
この研究は、長崎大学と京都大学の医の倫理委員会で審査され、承認を受けたものです。

連絡先
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
電話:075-751-3830


市中肺炎:

本邦における肺炎の死因順位は第4位と依然高く、重要な疾患である。肺炎での薬剤耐性菌の蔓延は、肺炎が感染症のなかでも最も頻度の高い疾患であるため、肺炎治療のみならず他の感染症治療に与える影響も大きい。当グループでは、市中肺炎で最も頻度の高い肺炎球菌の薬剤耐性に関して、その頻度、分子疫学、クローン伝播について検討してきた。今後も市中肺炎の疫学調査を継続し、本邦での肺炎の実態を明らかにしていく予定である。

抗酸菌感染症、真菌感染症:

肺結核の減少とともに肺非結核性抗酸菌症の頻度が増加しているが、その発病、進展、治療など不明な点が多い。宿主、細菌の両面からこの疾患の病態の解明に 取り組んでいる。また、京大病院肝胆膵移植外科との共同研究で生体肝移植レシピエントの術後肺アスペルギルス症の病態、リスクファクターを明らかにしてきた。京大病院では種々の移植医療が行われており、今後も他科とも協力し、日和見感染症の側面をもつ抗酸菌感染症、真菌感染症の制御のための臨床研究を行っていく。

肺MAC症患者の長期予後と予後因子に関する調査のお知らせ

肺Mycobacterium avium-inracellulare症(以下肺MAC症)は非結核性抗酸菌症の代表的な疾患で、近年中高年の女性を中心に患者数が増加しています。本 疾患は、結核と異なり他者への感染性を有さず、その進行は緩徐とされますが、有効な抗菌薬が開発されていないため約半数が除菌にいたらずに慢性感染症へ移 行する難治性呼吸器感染症です。最近デンマークから発表された予後調査の結果では、様々な基礎疾患を有する人に感染した場合も含めた5年後の全死亡率は約 40%で、高齢、男性、基礎疾患が予後因子とされました。しかし、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響についてはいまだ不明です。 そこで、肺MAC症と診断されたかたの予後とその予後を予測する因子を明らかにすることを目的に、京都大学医学部附属病院を受診され、肺MAC症と診断された患者さんの調査を行うことに致しました。

この研究は1998年1月以後に肺MAC症と診断された患者さんを対象に、患者さんのカルテを閲覧し、背景・排菌状況・画像所見・治療内容・予後などを調べるものです。調べた結果は京都大学呼吸器内科で集計し、肺MAC症に対する治療の有無別に背景・予後・排菌状況・治療内容などを 調べ、肺MAC症自体や肺MAC症に対する治療が予後に与える影響を検討する予定です。カルテの閲覧は医師が行い、調査の際にカルテが施設外に持ち出されることはありません。調査表には各患者様の名前は使わず、番号のみで管理されますので、個人情報は厳密に保護されます。

本共同研究は既に京都大学における倫理委員会で承認されておりますが、この研究の対象となります患者さんにつきましては、ご異存がなければ、調査に加えさ せていただきたいと思います。今後の同じ病気の患者さんの治療法選択に直結する臨床研究でございますので、何卒よろしくご理解とご協力をお願い申し上げます。

もし、本研究へのご協力がいただけない場合には、下記までご連絡下されば幸いに存じます。

なお、本研究の計画は京都大学で作成致しました。
更に詳しい情報が必要な場合は京都大学呼吸器内科伊藤功朗(FAX 075-751-4643;お問い合わせフォーム)にてお問い合わせください。

以上でございます。この研究を通して今後の肺MAC症に対する診療の向上に鋭意努力して参る所存でございます。ご協力ご高配をよろしくお願い申し上げます。


Health-care-associated pneumonia (HCAP)の臨床像に関する調査のお知らせ

私たちは医療関連肺炎(HCAP) の病態を市中肺炎(CAP)と比較する研究を行っています。

CAPとは、医療関連 行為を受けていない方に家庭で起こった肺炎です。HCAPとは、アメリカ胸部疾患学会が2005年に出版したガイドラインで肺炎の新たなカテゴリーとして 提唱されたもので、何らかの医療関連行為を受けておられる患者さん(以下の範囲に入る患者さん)に起こった肺炎のことを言います。

(1) 過去90日間で2日以上の入院歴がある。
(2) 老人ホームなどの長期療養施設にて発症した。
(3) 過去30日以内に抗生剤や抗癌剤の点滴治療や創傷治療を受けた。
(4) 透析治療中である。
(5) 外来通院中である。

これまで、HCAPについては多人数の患者さんのデータを解析した研究は少なく、まだその臨床的特徴は明らかではありません。そこで、京都大学および関連 の病院に入院されたHCAPもしくはCAPの患者さんを多人数集積して、 HCAPの診療に役立つ情報を見出すことを目的としました。

この研究 は、2010年12月までに京都大学医学部附属病院および一部の関連病院(約10病院)に入院され、HCAPもしくはCAPとして治療を受けられた(また は、治療を受けられる)患者さんを対象とし、患者さんのカルテを閲覧し、病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などのデータを解析するものです。 カルテの閲覧は医師が行い、カルテが施設外に持ち出されることはありません。調査には患者さんのお名前は使用せず、番号で管理されますので、個人情報(お 名前や住所など個人が特定できる情報)は保護されます。

本研究は京都大学における医の倫理委員会で承認を受けたものですが、対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお 願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。な お、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。 ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
TEL: 075-751-3830
e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp


肺炎におけるプロカルシトニン(PCT)測定の有用性に関する検討

私たちは肺炎の病態に関する研究を行っています。感染症の重症度や治療効果を判定するための血液検査として、近年プロカルシトニン(PCT)という検査ができるようになりました。肺炎の患者さんでも役立つことがある程度わかっているため、検査されることが多くなりましたが、これまでに分かっている以上にどのように役に立つのかを、本研究で明らかにしたいと考えます。具体的には、多くの病院に入院された肺炎の患者さんを多人数集積して、患者さんの病状や基礎疾患、検査データ、原因菌、治療効果などと、通常の保険診療の範囲内で行うPCT値の初期値や推移などを解析し、肺炎の診療に役立つ情報を見出すことを研究目的とします。

この研究は、2013年7月から2015年7月(予定)に入院され、肺炎で治療を受けた患者さんが対象となりますが、個人情報(お名前や住所など個人が特定できる情報)は含まれません。

この研究は、京都大学医学部呼吸器内科の関連病院が協力して行うもので、研究は倉敷中央病院が中心になってとりまとめるものですが、京都大学医学部附属病院の入院患者さんの参加に関しては京都大学医学部医の倫理委員会で承認を受けた研究です。対象となる患者さんにつきましては、ご異存がなければ調査に加えさせていただきたくお願いします。もしそれを望まれない場合やご質問がある場合は下記までご連絡ください。ご協力いただけない場合でも、今後の診療に不利益はきたしません。なお、研究結果は、学会や出版物として公表することがあります。

ご理解とご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

研究責任者
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町54
京都大学医学部附属病院呼吸器内科 伊藤功朗
TEL: 075-751-3830
e-mail: isaoito@kuhp.kyoto-u.ac.jp