気道疾患(COPD、喘息・慢性咳嗽)


COPD

COPD(慢性閉塞生肺疾患)の病態解明を通じて、よりよい医療を提供することを目的に、COPDの発症、初期病変、病態の進行、増悪の機序を解明することを目的としている。特にその病因について炎症の立場から捉え、臨床研究から、動物モデル、培養細胞を用いた研究まで幅広く 行っている。当科では以前より画像診断を用いて、気道炎症病変と肺野の気腫化病変の弁別を提唱しており、分子生物学的手法と画像生理学的手法の統合を目指 している。

実地医療においては、京都市内で喫煙歴のある人に呼吸機能検査を施行することによって、日常診療中に潜在するCOPD症例の発掘と啓蒙につとめており、実地医家の先生方からの紹介も多数ある。詳細な問診と、気道可逆性や過敏性検査・気道抵抗検査を含む精密呼吸機能検査、CTを中心とした画像解析、質問表を 用いたQOLの評価などを通じて、呼吸器他疾患の鑑別とCOPDの重症度評価を多面的に行い、また同時にCOPD患者に多く存在する併存症に関しては他科 専門医にコンサルトするなど、全身性疾患と捉えられつつあるCOPDの個々の患者の全体像を把握することにより、良質の医療を提供することを心がけている。臨床研究では、臨床データの蓄積と病態と肺機能検査データやCT画像解析との関連、病態に関連する遺伝子多型の解析を行っている。また呼吸器外科との共同 研究として、肺組織バンクを立ち上げ、ヒト肺組織の免疫組織化学やin situ hybridization等による炎症細胞浸潤の同定やサイトカインの発現の定量といった観点から病態生理を解明したいと考えている。動物を用いた研究 では、COPDモデル動物の確立とその解析も行いつつある。また培養細胞を用いた検討では、炎症に関わる遺伝子の発現とその機序について分子生物学的手法 を用いて検討を行っている。また、遺伝子解析に関しては理化学研究所と共同研究を進めるなど、他施設・他領域の研究者との共同研究も積極的に行っている。

これらの研究について、週に1回程度、COPDグループ研究カンファレンスを行っている。

喘息・慢性咳嗽

喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

主要な研究領域

喘息は病因、病態、臨床像さらには治療薬への反応性など、様々な点で極めて多様性 (heterogeneity) に富む疾患である。最大公約数的な診断・ 治療指針としてのガイドラインがある程度整備されたにも関わらず重症例の管理に難渋する現状から、今後は多様性の見地に立ちフェノタイプを考慮した治療戦略の確立が求められている。また慢性咳嗽の病態には喘息以上に不明の点が数多く残されており、原因不明例やあらゆる治療に抵抗する難治症例も少なからず経験する。

当グループの主な研究テーマは、難治性喘息の病態究明と新たな治療法の追求、中枢・末梢気道病変の関与、気道炎症とリモデリングの臨床的評価と病態生理学的意義、 リモデリング発症や咳受容体感受性亢進における遺伝子多型の関与、気道平滑筋のリモデリング・収縮亢進メカニズム、咳の末梢性および中枢性メカニズム、慢性咳嗽の診断・治療方法の確立、咳喘息の病態や典型的喘息への移行の機序、などであり、様々な手法を用いて病態にアプローチしている (図1図2)。研究成果を、実地臨床に応用可能な形に還元することを使命とし、個々の患者の病態に見合ったtailor-made medicineを実現することを究極の目標に研究を進めている。

主要な研究領域

  1. CT画像を用いた気道リモデリングの病態追求:病理学的検討の困難さ故に気道リモデリングの病態には不明の点が多い。我々は、教室で開発したCTによる気道 dimensionの自動解析システムを応用し中枢気道リモデリングの病態生理学的意義、治療などを追求してきた [Niimi et al. Clin Rev Allergy Immunol 2004]:1. 喘息患者では健常者に比し気道壁が厚く、肥厚の程度は重症度、罹病期間、気流閉塞と相関する [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2000] (図3):2. 気道壁厚は12週間の吸入ステロイド治療で部分的に減少するが、罹病期間が長いほど減少は乏しく治療後残存する壁肥厚も大きい [Niimi et al. Am J Med 2004] (図4)。同様の事象は長期(平均4.2年)の吸入ステロイド治療下でも認められ [Matsumoto et al. J Invest Allergol Clin Immunol, 2011]、早期治療介入の重要性が形態学的に示唆される。:3. 安定期患者の気道壁厚がメサコリン気道反応性と逆相関することから、気道壁肥厚がagonistによる平滑筋収縮に防御的に働く可能性がある [Niimi et al. Am J Respir Crit Care Med 2003]。その他、気道壁肥厚や呼吸機能と喀痰中の液性因子 [Matsumoto et al. Thorax 2005 (図5); Yamaguchi et al. J Invest Allergol Clin Immunol 2008]、TGF-B1遺伝子多型との関連 [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2008] (図6)、喘息における気管支拡張の存在と意義 [Takemura et al. Chest 2004] などについても報告している。最近ではmultidetector CTを用いて研究を発展させている。
  2. 末梢気道病変の臨床的意義と治療への包括的アプローチ:内径2 mm未満の末梢気道の評価は従来の方法では容易ではなく、喘息における末梢気道病変の意義は不明の点が多かった。我々は、高分解能CTの肺野濃度で評価した末梢気道病変の程度が喘息重症度や気道過敏性と相関することを示し、末梢気道が喘息の重要な治療ターゲットであることを明らかにした [Ueda et al. J Allergy Clin Immunol 2006]。また簡便で低侵襲的に中枢気道と末梢気道を評価しうる新たな呼吸機能測定システムImpulse oscillation (IOS)を用いた研究で、喘息の重要なアウトカムである健康関連QOLや疾患コントロールに末梢気道病変が中枢気道と独立して寄与する可能性を示唆した [Takeda et al. Respiration 2010]。さらに、粒子径の大きな薬剤と比較して、微細粒子径吸入ステロイド薬が末梢気道を反映することが想定されるIOS指標を有意に改善させ、その改善が気道過敏性の改善をももたらすことや、治療前のIOSによる評価が治療薬の選択に有用である可能性も報告した [Yamaguchi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009]。最近は気道炎症の非侵襲的な指標である呼気一酸化窒素濃度(FeNO)を複数フロー下で測定し、算出したNOの肺胞成分(CANO)を用いて、病理・生理学的変化の背景にある末梢気道炎症の評価を行っている[Kiyokawa et al. Allergol Int 2011] [Nakaji et al. Nitric Oxide 2011] [松本久子. 専門医のためのアレルギー学講座, アレルギー 2012](図2)。 CANO値がIOSの末梢気道指標と有意に相関することを示し[Matsumoto et al. Respiration, 2011]、治療下の喘息例においても、微細粒子径吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の追加投与により、残存する末梢気道炎症が減弱し、喘息コントロール改善につながる可能性を示した [Nakaji, Petrova et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013]。
  3. 喘息における気道・全身炎症の評価と多様性の追求:好酸球顆粒蛋白eosinophil cationic protein (ECP) の血清中濃度が気道の好酸球性炎症を間接的に反映することを示す一方で [Niimi et al. Clin Exp Allergy 1998]、血清ECP値が喘息の増悪時にも正常値を示す患者群の存在とその臨床像を 明らかにし、喘息の主要なエフェクター細胞として理解されている好酸球の関与に多様性が見られることを示唆した [Matsumoto et al. Clin Exp Allergy 2001]。また血清高感度CRP値が吸入ステロイド非使用患者で高値をとり、呼吸機能や喀痰好酸球数と相関することから、全身性炎症の存在とともに炎症マーカーとしての有用性を示唆した [Takemura et al. Eur Respir J 2006]。また近年非侵襲的な気道炎症の評価方法として使用されている誘発喀痰を用いて、気道分泌が気流閉塞や気道過敏性亢進に防御的に作用している可能性を示すと共に [Jinnai et al. Chest 2010]、好中球性気道炎症のマーカーの探索を行っている[Otsuka et al. Respiration 2012]。咳喘息において好中球が好酸球と同時に増加することでおそらくは相互作用により難治化をもたらす可能性 [Matsuoka et al. Chest 2010] (図7) を明らかにし、また誘発喀痰検査が不成功に終わる患者の臨床像を解析して検査の限界や結果解釈の問題点を示した [Matsuoka et al. J Allergy Clin Immunol 2008]。
  4. 喘息の難治化に関与する諸因子:抗原への感作は喘息の重要な発症因子であるが、一般的な抗原への感作は重症難治化との関連が乏しいとされる従来よりの定説を確認する一方で [Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、白癬の主要な原因真菌であるトリコフィトンへの感作が喘息の重症度と関連することを明らかにし、本真菌が重症難治化をもたらす抗原である可能性を示唆した [Matsuoka et al. Chest 2009]。また黄砂への曝露が喘息を悪化させることは経験的に知られてきたが、定量評価した黄砂の飛散量が小児喘息の増悪入院頻度と有意に相関することを報告した [Kanatani et al. Am J Respir Crit Care Med, 2010]。一般に血清IgEは加齢と共に低下するが、高齢の喫煙喘息例、特にアトピー素因のある例では血清IgE、末梢血好酸球が高く維持されることを初めて明らかにした[Nagasaki et al. Clin Exp Allergy, 2013](図8)。従来喫煙は、好中球性炎症を惹起して喘息を重症化させると認識されてきたが、アトピー素因のある例では好酸球性炎症も十分意識した管理が必要である[Nagasaki, Matsumoto. Allergol Int, in press]。
  5. 喘息の合併症:好酸球性副鼻腔炎はマクロライドに抵抗性の慢性副鼻腔炎で、喘息に合併する慢性副鼻腔炎の約70%を占め、早期から嗅覚障害をきたす。難聴をきたしうる好酸球性中耳炎を約30%に合併し、著しくQOLを障害する。ステロイド薬のみが有効とされていたが、重症喘息合併好酸球性副鼻腔炎において、抗IgE抗体治療により副鼻腔炎、喘息の自他覚所見が平行して改善することを報告し、新規治療法の可能性を提案した[Tajiri et al. Ann Allergy Asthma Immunol, 2013] 。
  6. 気道平滑筋の基礎的研究:気道平滑筋の過剰な収縮は、喘息の基本病態の1つである。喘息における気道平滑筋の肥大増生 (リモデリング)、収縮亢進の機序を明らかにする目的でヒト気道平滑筋細胞を用いて検討を進めている。ADAM33、MMP、TIMP、Toll- like receptorなどの分子、サイトカイン・増殖因子に着目し、real-time PCR, Western-blot, FACS, zymography, gel contraction assay (図9), laser capture microdissection (図10), migration/proliferation assay (図11), immunostaining, siRNA, promoter assayなどの手技を用いて解析している [Matsumoto et al. Thorax 2007; Borger et al. J Allergy Clin Immunol 2007; Ito et al. J Allergy Clin Immunol 2007, Clin Exp Allergy 2009]。また気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationと喘息病態との関係について兵庫医科大学生理学教室と共同研究を行い、IL-13による前処理下ではロイコトリエンD4刺激による気道平滑筋細胞におけるCa2+ oscillationの頻度が増加することを示した[Matsumoto, Hirata, et al. Cytokine 2012](図12)。
  7. 慢性咳嗽の臨床病理学的研究:慢性咳嗽の主要な原因疾患である咳喘息の気管支粘膜生検組織を検討し、好酸球の病態への関与 [Niimi et al. Eur Respir J 1998] や慢性炎症の結果として生じる気道リモデリング (基底膜肥厚) の存在 [Niimi et al. Lancet 2000] (図13) を明らかにした。CT上の気道壁肥厚の存在も示した[Matsumoto et al. Chest 2007](図14)。さらに咳喘息の予後 (喘息への移行) に吸入ステロイド治療の有無や抗原感作が関与する可能性[Matsumoto et al. J Asthma 2006; Takemura et al. Clin Exp Allergy 2007]、ロイコトリエン受容体拮抗薬の咳喘息に対する有効性も報告した[Takemura et al.Respiration2012]。種々の原因による慢性咳嗽の気道病理像の解析や生理学的検討、咳発現メカニズムの解明にも取り組んでいる[Niimi et al. Thorax 2004, Pulm Pharmacol Ther 2004, J Allergy Clin Immunol 2005; Groneberg et al. Am J Respir Crit Care Med 2004; Matsumoto et al. Cough 2009; Takemura et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] [Otsuka et al. Respiration 2011]。咳嗽を呈する炎症性気道疾患群の概念整理の試み [Gibson et al. Thorax 2002; Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2009] や、グローバルな見地に立った慢性咳嗽の疫学論 を提唱する [Niimi et al. Pulm Pharmacol Ther 2007; Matsumoto et al. Cough 2007]一方で、咳反射の感染防御機構としての重要性を反復性肺炎患者における検討から示唆した [Niimi et al. Thorax 2003]。気道過敏性検査やFeNO測定は慢性・遷延性咳嗽の診断に有用なツールであるが、実地臨床では検査困難なことが多い。咳嗽関連誘発因子の問診票(表1)を作成し、問診から得られる咳嗽誘発因子の一部、冷気・ストレス・タバコの煙などが疾患や病態と関係することを明らかにした[Matsumoto et al. Allergol Int 2012](表2)。
  8. 動物モデルの炎症病態解明:職業関連喘息の原因物質toluene diisocyanate (TDI) 反復曝露によるモルモット遅発型喘息モデル作成に成功し、遅発型喘息への好酸球の関与を明らかにした [Niimi et al. J Allergy Clin Immunol 1996]。同様の曝露にて過敏性肺炎類似の肺病変も惹起し得た [Yamada et al. Eur Respir J 1995]。ラット卵白アルブミン喘息モデルにおける気道炎症、リモデリングの新薬治療も報告した [Leung et al. J Pharmacol Exp Ther 2006]。最近ではモルモットやマウスモデルを用いて咳受容体感受性亢進の病態解明や治療研究にも着手している [Leung et al. Cough 2007] (図15)。

喘息・慢性咳嗽の領域は、診療に高い専門性が要求され、また数多くの研究課題も残している一方で、呼吸器疾患の中でも最もcommonな疾患群であり、外来診療が主体となるプライマリケア的な側面も大きいという特徴があります。診断や治療が上手くいって患者さんに喜んでもらえるという医師としての幸せを日々感じつつ、多様な病態を示す患者さんの診療に常に考えながら取り組むことで重要な研究テーマに巡り会い、それを解明し実地臨床に還元していくという臨床研究者として何物にも代え難い醍醐味も味わえます。是非この領域に関心を持っていただき、ともに研究に取り組みましょう。熱意ある先生方を心より歓迎致します。


京都大学医学部附属病院呼吸器内科で喘息・慢性咳嗽外来を受診された患者さんへ

京都大学医学部附属病院呼吸器内科、喘息・慢性咳嗽グループにて下記の研究を行っております。


研究題名”気管支拡張症合併難治性喘息の実態調査”
  1. 研究(調査)の目的と概略
    気管支喘息の合併病態として気管支拡張症や細気管支炎があり喘息の難治化に関わりますが、本邦におけるその頻度や治療実態は不明です。本検討では、気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の頻度や病型、病態について全国調査を行うことでその実態を明らかにし、適切な管理につなげることを目的とします。
  2. 研究(調査)の方法
    京都大学医学部附属病院呼吸器内科において下記期間に受診歴のある気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の患者さんについて、施設担当医師に後ろ向きのアンケート調査を行います。収集させていただく項目は、性別、診断時年齢、既往歴、併存症、喫煙歴、治療内容、症状などの因子、血液データ、呼気NO、呼吸機能、喀痰情報、画像所見等です。氏名や住所は収集いたしません。
  3. 研究(調査)の参加施設
    京都大学医学部附属病院および日本呼吸器学会認定・関連施設、日本アレルギー学会教育研修施設119施設
  4. 調査期間
    調査対象期間:2015年1月1日~2019年9月30日
    研究期間:2019年10月15日から2024年12月31日まで
  5. 調査の対象となる患者さん
    気管支拡張症/細気管支炎合併難治性喘息の患者さんです。中枢性の気管支拡張を呈するアレルギー性気管支肺真菌症の患者さんも含まれます。
  6. この研究への協力は任意です。
    本研究は、患者さんの過去の診療記録から得られた情報を使用する「観察研究」と呼ばれるもので、患者さんに新たな診療や検査、特別な費用の負担はありません。研究に用いる情報は、個人が特定できないように匿名化して管理し、個人情報を保護します。
    データの使用をお断りになる場合には直ちに情報の利用を停止いたしますので、遠慮なくお申し出ください。
  7. 研究資金源について
    本研究は委任経理金(環境呼吸器病学奨学金)、日本呼吸器学会学術部会研究費、2019年度ノバルティス研究助成により実施しています。本研究では関連企業等に対する経済的利益は生じません。また、研究協力者の皆様の個人情報、臨床情報、検査結果、質問調査の結果など、研究の結果から得られる個人個人のデータは ノバルティスファーマ社には共有されません。
  8. 利益相反について
    利益相反とは研究成果に影響する可能性のある利害関係をいいます。これには金銭及び人的、物理的関係を含みます。
    この研究は、日本呼吸器学会、ノバルティスファーマ社より本研究に関わる研究費の提供を受けて実施しますが、資金提供者の意向が研究に影響することはありません。また、利益相反については、「京都大学利益相反ポリシー」「京都大学利益相反マネジメント規程」に従い、「京都大学臨床研究利益相反審査委員会」において適切に審査しています。
  9. 研究結果の公開について
    本研究に関する情報は、UMIN臨床試験登録システムに登録され、研究で得られた結果は査読付の学術誌および学術集会において公表されます。また、この研究に同意してくださった患者さんで、研究について詳細を知りたい場合は、他の被検者の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内で、この研究に関する資料を入手・閲覧することができます。9.に記載の連絡先までお問い合わせ下さい。
  10. お問い合わせ先
    この研究は、京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を得ています。

    研究責任者・情報管理責任者:小熊毅(京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学)

    問い合わせ先:京都大学医学部附属病院 呼吸器内科 小熊 毅
    京都大学医学部附属病院 相談支援センター
    電話 075-751-4748
    E-mail ctsodan@kuhp.kyoto-u.ac.jp


研究題名“喘息治療薬の効果を予測する因子についての研究”

現在呼吸器内科学講座では、2017年6月1日から2020年3月31日までの間に京都大学医学部附属病院を受診し、喘息に関する診療記録が存在する患者さんを対象として、新規に使用された薬剤と、その効果、呼吸機能・血液検査の関連などの調査を行っています。目的は各吸入薬剤の効きやすい症例の特徴を調べるためです。

具体的には、年齢・性別・疾患の重症度・罹病機関・症状・薬剤の使用開始日・継続期間・使用前後の呼吸機能・血液検査などの結果・薬剤の有効無効などの情報を電子カルテより収集し、統計的な処理を行うことで、どのような方に薬が効きやすいかを調べます。

この調査は、京都大学医の倫理委員会の承認後研究機関の長の許可を得て行っており、結果は学会や学術誌に報告する予定です。データはすべて匿名化し、個人を特定できる情報の流出がないよう、細心の注意を払いますが、ご自身のデータ使用を希望されない方がおられましたら、ご連絡をいただければそのように対応いたします。なお、その場合においても患者さんが診療上不利益をこうむることは一切ありません。この研究につき、ご質問・ご要望などがございましたら下記まで連絡をいただきますようお願いいたします。

もしご希望がございましたら、他の患者さんの個人情報の保護や当該研究に支障がない範囲内で、当該研究に関する資料を入手又は閲覧することが出来ますので御連絡下さい

責任者:京都大学大学院医学研究科 呼吸器内科学 小熊 毅
問い合わせ先:小熊 毅
〒 606-8507 京都市左京区聖護院川原町54 京都大学医学部附属病院呼吸器内科
Tel: 075-751-3830
Fax: 075-751-4643

京都大学総務課研究推進掛
Tel: 075-751-4899
E-mail:trans@kuhp.kyoto-u.ac.jp